史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち/飲茶 著/悟りってこういうことか

悟りがどういうものなのか、ようやく理解できました。

まあ理解できてもそれだけでは全く意味がないことも同時にわかってしまったんですが(笑)。

そんな理解の大きな助けになってくれた本「史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち」を紹介します。

史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち (SUN MAGAZINE MOOK)

飲茶 マガジン・マガジン 2012-03-14
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読んで感じたこと

知識として知っていることに意味はなく、それを体験的に理解する必要がある。それが悟り。

体験的に理解するためには、思考に囚われることから避ける必要がある。念仏や禅問答、座禅もすべてこのため。

読書メモ

東洋哲学と西洋哲学の違い

西洋

  • 階段。前時代のものをふまえて次世代がある。
  • 論理的で理解可能。
  • 人間の外側を扱ったもの

東洋

  • ピラミッド。各哲人が独自理論を展開。弟子たちがそれを理解しようと解釈を加えている。
  • 非論理が主のため理解はできない。知識として知っていることに意味はない。
  • 人間の内側を扱ったもの
  • 論より実を取る。効果があって初めて意味がある

インド哲学

  • 私とは認識するもの(認識主体)。これがアートマン
  • 無限遡行になってしまうので、私が私自身を認識することはできない。
  • 従って、「私」とは、「〜でない」という否定的な言葉でしか記述できない存在である。「私は〜である」は間違った認識

無分別智

  • 言語化しないで物事を直感的に理解すること。釈迦が悟った真理とはこのこと
  • 分別を否定し尽くしたところにある
  • 般若心経とは、物事が「空(関係性の中で成り立っているだけの実体のないもの)」であることを踏まえつつ、無分別(智慧)の行を実践して真言を唱えながら、えいやと悟りの境地にいたりましょう、というもの

中国哲学

老子

道(タオ)
  • 天地より先に存在した混沌としたもの
  • 万物はそのタオから生まれた
  • 名前がない状態=万物が生み出されていない=混沌=タオ
無為自然
  • 東洋哲学におけるゴール(悟り、無分別智、梵我一如)に到達すると、人間はこうなる
  • 私が何かをやっている、という思い込みを捨て去り、行動や思考が自然にわき出るままに任せる境地
  • 私は何も為さないただの観客
上善は水のごとし
  • 水のように柔らかいものが強い

荘子

  • 老子を受け継ぐ
  • わかりやすい
  • 本来、世界には境界などなく、「物(我々にとっての存在)」もない。それが最高の境地、タオ。
  • 言葉を持ち込むことで境界が生まれる

日本哲学

  • 念仏も禅問答も座禅も、みんな思考に囚われることから避けるためのもの
  • 禅の十牛図は、悟った後で最後に元の世界に還ってくる

まとめ

分かりやすくするために必要なところのみをピックアップしているためでしょうが、とにかく読みやすい内容。

仏教や老荘思想、禅をこんなにスッキリ理解できるなんてビックリです。

悟りのことを知識として知っても意味がなく、直観的に理解するためにはむしろ害となることもありうるということがハッキリと分かりました。

そして般若心経の解釈にはまさに脱帽。

仏教やスピリチュアル系のことに興味がある人には本当にオススメの1冊です。

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